ニュースリリース

2012.02.01
インフルエンザワクチンの効果に確実な証拠はない

<オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版>

 <国際版編集主幹> Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
 <日本語版監修> 柳澤 厚生(点滴療法研究会) 
          溝口 徹 (新宿溝口クリニック)   姫野 友美(ひめのともみクリニック)
          齋藤 糧三(日本機能性医学研究所)  北原 健 (日本オーソモレキュラー医学会)
 <翻訳協力>   西本貿易株式会社ナチュメディカ事業グループ

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(http://www.iv-therapy.jp/omns/)を記載してください。
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                                (English)

「インフルエンザワクチンの効果に確実な証拠はない」

               執筆: Damien Downing, M.D.

インフルエンザワクチンの接種やタミフルの服用をするのが賢明なのか、それとも、ビタミンDを摂るほうが高い予防効果が得られるのか? ワクチン接種は個人的選択の問題であるべきで、我々は、政府や健康保険または医師会が個人にどうすべきか指導するべきとは考えていない。この記事を読まれる人は、自分の健康について自分で十分決定することができる明らかに聡明な人である。決断の最中で迷っている人にはセカンドオピニオンとなる。

■ワクチンの効果は?

医学雑誌Lancet Infectious Diseases (「ランセット 感染症」) (1) の10月号に、大規模なレビューが掲載された(主執筆者は、感染症の分野で研究者として高く評価されているマイケル・オスターホルム教授)。この論説によると、5,700という膨大な数の研究を審査した結果、わずか31の研究しかレビューの対象とする価値がなかったことが判明したが、結論として、健康な成人においてはインフルエンザワクチンに中程度の効果があることを示す十分なエビデンスがあっただけで、65歳以上や子どもの場合は予防効果に関する実際のエビデンスがない、ということであった。言うまでもなく、医師が他より憂慮しているのは高齢者、とくに虚弱な高齢者であり、インフルエンザの症例の90%がこの高齢者グループにて発生しているが、このグループにおけるインフルエンザ感染をインフルエンザワクチンが防いでいるというエビデンスはなかった。

もう一度調べてみて、あらゆる類の6,000近い研究を見ても、主要目標母集団においてインフルエンザワクチンがインフルエンザを予防するという十分なエビデンスはなかった。
18~65歳の健康な成人における統合効果は57%と報告されている。これは、インフルエンザにかかる可能性がワクチンによってほぼ半減することを意味している。プラセボ効果としてよく知られているものが、この57%という効果の大半を占めている可能性もある。インフルエンザの予防接種をしたとわかっている人は、自分が無敵だと考える。ただし、この年齢グループでは、インフルエンザにかかる可能性がそもそも3%に満たないため、実際の減少率は約1.5%にすぎない。こうした数字を丸めると、健康な大人の場合、実際にインフルエンザにかかるリスクは、インフルエンザワクチンによって36分の1から83の1になる。こうした数字は、どのレビュー対象研究にも示されていない。

また、こうした効果はすべて、相当な犠牲を伴うことは言うまでもない。あなたが何を伝え聞いていようと、投薬なようなものほど、副作用のリスクを伴うものはない。ワクチン接種の場合、このリスクがアジュバント(免疫助成剤)から生じることもある。ワクチンは、少量の有機体にアジュバントを加えたものである。アジュバントは、免疫系を刺激して、有機体部分への反応を誘発する化学物質である。アジュバントがなければ、一般的にワクチンは作用しない。よく使われるアジュバントには、抗生物質であるゲンタマイシン(過剰摂取すると耳が聞こえなくなるおそれがある)、アルミニウム化合物(アルツハイマー病などの神経疾患の一因となっている可能性が高い)(2)、水銀由来の防腐剤であるチオメサール/チメロサール(毒性があることが昔から知られており、最近は自閉症がある場合に疑われている)などがあり、結局のところ、アジュバントとして作用するためには毒性がなければならないのである。米国および英国におけるインフルエンザワクチンの主要銘柄の1つであるフルアリックスは、メーカーによると、ゲンタマイシンとチメロサールの両方を含んでいるということである。

インフルエンザワクチンは、たとえ明らかな感染を防ぐことがなくても、インフルエンザによる死亡を有意な程度予防する、と我々も以前は考えていた ― 大きなアーチファクト(偽所見)が作用していることに気付くまでは。これは、健康なワクチン接種者の効果 として知られており、そのカギはこの名前にある。つまり、虚弱な高齢者は、元気な高齢者より、一般医に出向いてワクチン接種を受ける可能性がはるかに低く、一方、元気な高齢者のほうが、良好な食事と生活、ビタミン剤の摂取などを実践している可能性が高いため、とにかくウイルスへの耐性が高いのである。

オスターホルム氏とその共著者による結論では、カリフォルニアで行われた2つの研究を引用し、インフルエンザワクチンによる総死亡率の低下率は65歳以上の場合4.6%に過ぎない、としている。この程度の効果で、副作用のリスクを冒す価値があるだろうか? その選択は自分でしなければならない。でも、こうした事実を知ったからには、自分で選択できるだろう。

■タミフル

ワクチンではインフルエンザの予防ができないとなると、タミフル(オセルタミビル)はどうなのか? この薬は、インフルエンザの症状持続期間を1~1.5日短縮し、また、吐き気や嘔吐など他の不快症状や、ひどく頭がぼんやりする状態(「長い文を考えられない」状態)を生じる可能性がある、と公式なウェブサイトにも書かれている(3)。しかし、我々は最近、タミフルに関する別の問題に気付くようになった。実際はウプサラ大学における博士論文である次の新しい論文(4)に示されているとおり、基本的に、地球全体がすでにタミフルに対する耐性を持ち始めている。その仕組みは以下のとおりである。タミフルは、大部分がそのままの形で患者から排せつされ、下水処理の影響をほとんど受けない。そのため、日本におけるインフルエンザの大発生時に見られたように、この薬が水路に入り込み、ウイルスの自然宿主であるカモが感染するおそれがある。こうした感染が起こると、ウイルスにタミフルへの耐性が生じる可能性が高い(「可能性が高い」というのは、これまでに室内実験でそれが起こっていることを意味する)。

先回インフルエンザが大発生したとき、政府が買いだめして飴玉のように配っていたタミフルは、すでに販売期限 が間近に迫っている可能性がある。過去にも同じような経験があり、抗生物質を過剰使用した結果、MRSAのように、深刻な耐性を持つ細菌が病院で発生するに至った。しかし、このときは数十年を要した。我々は、何とかしてそれよりずっと速いサイクルでタミフルを浪費しようとしてきた。これは、我々の住む小さな地球には自分たちの不要品を処分する場所が残っていないことを示す。今や、どこもが我が家の玄関先なのである。

■ビタミンD

ビタミンDを過剰使用しても、誰も我々を訴えることはできないだろう。そもそも、北欧ならびに米国の北半分の両地域では、ほとんどすべての人がビタミンD不足にある(5)。今年の収穫における最後の論文(6)によると、血中ビタミンD値が高いほど、一般的にインフルエンザや呼吸器感染症のリスクが低いということである。

この研究では、血中ビタミンD値が100 nmol/Lを超える場合、それが当てはまることが判明した。これは、我々がこれまで過剰と考えていた量である。しかし、今ではそう考えていない。サンディエゴにあるD*Action(http://www.grassrootshealth.org/daction/index.php)のグループによると、ほとんどのガンならびに多発性硬化症などの自己免疫疾患の発症リスクを最小限に抑えるためには、さらに高く、125 nmol/Lを超える値にする必要がある(7)。おそらく、これはインフルエンザと肺感染症にも当てはまる。問題は、ビタミンD値がこれほど高い人を見つけて調べることである。確実に100 nmol/Lを超える状態にするためには(とくに、97.5%の人をその状態とするためには)、1日当たり9,600 IUのビタミンDを経口摂取する必要があることがD*Actionによりわかっている。

英国での新しい研究によると、ビタミンD値が最も高かった(100 nmol/Lを超えていた)グループでは、最も低値(25 nmol/L未満)であったグループと比較して、呼吸器感染症にかかるリスクが約50%となっていた。25 nmol/L未満という数値は、間違いなく不十分である。被験者はすべて、英国に住んでいる白人であり、肌の白い人のほうがビタミンD値が高いと思う人もいるかもしれないが、そうではないことがわかっている。2009年に、同じく英国で行われた研究(8)によると、白人女性は、肌の色が濃い女性より、ビタミンD値がわずかに低かった。これはたぶん、皮膚ガンに対する健康上の警告に白人女性は耳を傾けているためだろう(これについては、別の機会にお話しする)。この研究では、被験者に何らかのサプリメントを摂取していたか尋ねていなかった。もしそれを調べていたら、さらに大きな違いが出たかもしれない。アフリカ系アメリカ人女性に関する以前の研究(9)によると、ビタミンDのサプリメント摂取量が1日当たり800 IUの場合、冬にインフルエンザにかかるリスクが低下し、2,000 IUの場合、そのリスクが消滅する効果がある(ページ末尾のグラフを参照)。

このことは、以下の研究によって部分的に確認されている。日本の学童を対象とした無作為比較試験によると、ビタミンD値が1,200 IUの場合、確定されたインフルエンザの発生率が40%低くなっていた(10)。また、エール大学での研究によると、血清ビタミンD値が38 ng/ml (95 nmol/Lに相当し、前述の英国での研究で用いられた100 nmol/Lという値に非常に近似)を超えている場合、急性呼吸器感染症になる可能性が半分になっていた(11)。

こうした数字に捕らわれる前に、私は以下のように考えている。ニューヨークやマドリッドより北に住んでいる人は、自分の体内に十分なビタミンDがある可能性が低い。食事で多少の改善はできるが、サプリメントを使えば、ほぼ100%(実際は96%)確実にインフルエンザにかからないようにすることができる可能性が高い。では、どれくらいビタミンDを摂ったら良いか? 成人の場合は少なくとも5,000 IUで、10,000 IU摂れば完全に安全である(または、日光からもビタミンDを得る(訳註(補足):日光に当たって体内でもビタミンDを生成する)とさらに良い。早速、日なたで休憩しよう!)。ワクチン接種を受ける選択をした場合でも、ビタミンDによってワクチンの効果が高まる可能性がある(12)。
OMNSは、とくにワクチンに反対しているわけではないが、個人が選択をすることに大いに支持しており、この話題については過去にも掲載している(13)。事実を把握し、自分で決断しよう。政府による強制やでたらめを受け入れてはならない。Vera Hassner Sharavは次のように述べている:「大西洋の両側にある国の公衆衛生担当官は、ワクチンメーカーと結託して安全上の問題があることを否定しているため、国民の信頼をすでに失っている。」
ワクチンは貴重なものであり、抗生物質の場合のように浪費すべきではない。もし狂犬病ワクチンが必要な場合、あなたはきっと接種を拒まないでしょう。しかし、一方で、ビタミンDのような自然の贈り物になぜ無関心なのでしょう?


参考文献:

(PMID番号で参考文献を検索する場合は、http://www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrezのトップにある「Search」ボックスにPMID番号をタイプまたはペーストする)
1. PMID: 22032844, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=22032844
2. PMID: 21568886, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=21568886
3. http://www.tamiflu.com/hcp/influenza-treatment.aspx
4. http://uu.diva-portal.org/smash/record.jsf?pid=diva2:453789
5. http://www.sunarc.org ならびにhttp://www.vitamindcouncil.org/health-conditions/infections-and-autoimmunity/influenza/
6. PMID: 21736791, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=21736791
7. http://www.grassrootshealth.net/
8. PMID: 19649299, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=19649299
9. PMID: 16959053, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=16959053
10. PMID: 20219962, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=20219962
11. PMID: 20559424, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=20559424
12. PMID: 18298852, http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=18298852
13. http://www.orthomolecular.org/resources/omns/v07n02.shtml

           日本語訳監修:齋藤 糧三(日本機能性医学研究所)

グラフ
Dr.Damien Downing
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